Belton音楽院メッセージ


演奏家、講師の伝えたい

基本理念や解説、

 演奏会評などを掲載します。

      

2007ソプラノリサイタル「ソプラノで綴る愛の歌」の解説

 
今回は日本歌曲を3曲、リートを4曲、オペラアリアを4曲で構成しました。今まで歌いたかったけれどチャンスが訪れず歌えなかった曲が今回のプログラムにいくつもあります。チャンスとはテクニックの事で、歌いたい歌のテクニックが出来上がったということです。

 「和泉式部の歌」は和歌ですが、難しい言葉を優しい単純なメロディで聴く人の心を捉えます。ところがそれが発声のテクニックとしてあまりにも難しくお蔵入りして20年の歳月がたってしまいました。いま私を支えているヴァムザー発声法ならこれらの困難な曲が何事もなく歌えるのです。

 ピアノ曲で有名な「愛の夢」(リスト作曲)も歌で表現します。これも困難な跳躍する音をいかに楽に発声するかです。器楽的要素が高い曲は声帯に負担がかかりますが、ヴァムザー発声で想いが実現しました。美しい曲ほど発声が重要です。

 私は声楽を40年以上やっています。難しいと思いながら声楽家として情熱を傾けていました。ところが4年前にヴァムザー 先生(ウィーンの声楽家)に新たな発声を習い若いときの声が蘇ってきました。これは魔法にかかったような素晴らしい発声でした。そして易しいテクニックでした、おしゃべりの続きでした。誰もが出来るおしゃべり、これを発声法としてるのです。おしゃべりに音楽を載せれば「水準の高いおしゃべり」になるのです。私はこの発声法で蘇り今、3時間は声枯れせずに歌えます。

 発声は声楽家だけのものではなく、万人が簡単に出来ること、それを使って直ぐに歌いたくなる発声が真の発声法です。私はアマチュアの生徒も見ていますが、少しの時間でリートやオペラのアリアなど楽に歌えるのです。またこの発声法は、声帯障害の回復にも大きな効果があります。

 私のリサイタルはそんな楽しいことを皆様に実験台として聴いていただきたいコンサートです。

        2007年1月                      クロイツァー凉子


※各誌の演奏会評から

芸術現代社「音楽現代」20074月号コンサートクリティーク演奏会評より

「この日は前半に歌曲、後半にオペラ・アリアが歌われた。別宮貞雄の「さくら横ちょう」加藤周一の詩の中に雰囲気が漂う。グリーグ3曲中の「ソルヴェイグの歌」なかなか大きな表情と共にイプセンの詩が切々と伝わる。リストの「愛の夢」ここでもリスト特有の音楽と共にフライリヒラートの愛に対する情熱の詩情を大きく汲み取り個性的で強いものを感じる歌唱であった。後半のグノー「ファースト」の「宝石の歌」ではマルガレーテの喜びの心とその憧れがとてもうまく伝わってくる。プッチーニの「ラ・ボエーム」「私の名はミミ」ミミの可憐さと心情が、みごとに表出され聴きごたえがあったし、すっかり彼女の手の中にあるアリアと思えた。同じく「貴方の愛の呼ぶ声に」ここでも悲しみの心情は強く伝わってくる歌唱と共に役の雰囲気のつくり方もうまい。最後は蝶々夫人の「ある晴れた日に」の中からも蝶々さんのいじらしさとか情と言ったものと共にドラマを浮き彫りにさせる術も充分心得てる。4曲のアリアは総じて長年歌い込んで来たものと思われた。この人はさすがベテラン、劇的なものになると特に素敵な表情をする。ピアノの寺岡真美はヨーロッパで活躍しているだけのことはあり、みごとな伴奏だった。(211日津田ホール) 家永 勝

音楽之友社「音楽の友」20074月号Concert Reviews演奏会評より

「レオニード・クロイツァー、豊子夫妻の姪で、養女として同家の音楽の灯火を継承しているソプラノのクロイツァー凉子が、「愛」をテーマとするリサイタルを開催した。前半の白眉は、平安朝の女流歌人、和泉式部の和歌5曲に平井康三郎の付曲した(和泉式部の歌)。熱き女心を切々と吐露しながらも気品を失わない彼女の歌唱は、平井のシンプルで美しい旋律と相まって、平安ロマンの世界へと聴衆を甘く誘う。ほかに中田喜直(桐の花)別宮貞雄(さくら横ちょう)、グリーグ(ソルヴェイグの歌)など3曲と、ピアノ曲の陰に隠れがちなリスト(愛の夢)の原曲。このリストも彼女のキャラクターによくはまり、入魂の熱唱。後半はグノー(宝石の歌)、プッチーニ(ボエーム)より2曲と(ある晴れた日に)。曲ごとにヒロインになりきる声の演技力とムラのない自然な発声法により、オペラの一場面をみるかのような華あるステージが生み出されていた。(211日津田ホール) 萩谷由喜子」



                                          


☆『ピアニストライフ〜音高音大受験の予備知識』 大島優子先生


  Belton音楽院が大事にするのは、先生と生徒がお互いの音楽に対する姿勢を理解してレッスンすること、それには、コースを選択する前に先生の考え方を知っていただきたい、大島先生は大学でピアノを教えている現役の先生です。当音楽院では受験生と音大を卒業した方を主な対象に教えます。’音楽には人生のステージにあった学び方がある’、そう仰る大島先生のお考えを参考にしてください。


□ 受験生のレッスン
“何となく”音楽の道に進みたいと考えている皆さん。
最初は誰でもそうなのです。

小さい時から習っていたピアノ…このまま、趣味として続けていこうか、

それとも、音大へ行ってもっと専門的に学ぼうか…

私も、そんなことを考えた時期がありました。

身近に、音大のことをよく知っている人がいらっしゃれば、

その人に相談するのも良いでしょう。

でも、たくさんある音大、そして多様な科、自分の力でどこなら入れるのか…

意外と悩むものです。

私は、26年間音大で教え、同時にたくさんの受験生を音大へ入れてきました。

それぞれの方の力を見究め、希望をじっくり聞き、十分話し合った上で

レッスンを行なっていきます。

本来“演奏する”という行為において、演奏する場がどんなところであっても、

目指すものは同じ“素晴らしい演奏”でなければなりません。

けれども、受験には受験ならではのコツやポイントがあります。

趣味としてやっていくのとはまた違ったアプローチが必要になってきます。

受験クラスでは、そういったことを踏まえて

ピアノのレッスンをしていきたいと思います。

音大卒業生のためのレッスン
音大を卒業してからも、ずうっと演奏を続けている方は、意外と少ないものです。

仕事が忙しくて練習する時間が取れないとか、

結婚や子育てで思うように練習できないとか…

理由は様々あると思います。さらに、ひとたび中断してしまうと、

なかなかレッスンに通うきっかけがなくなってしまうものです。

そんな方に、是非いらしていただきたいのです。

少ししか練習時間が取れなければ、その範囲でできる小品でもいいですし、

学生の時のように難曲に挑むのが無理であっても、

世の中には芸術的価値の高い素晴らしい曲がいっぱいあります。

私自身、教えることと二人の娘の子育てで忙しくて、

なかなか演奏活動が思うようにできませんでした。

それでも、どうにか今に至るまで、演奏を続けてきました。
大変な部分もありますが、やはりピアノを弾いている時の幸せは

何事にも変えがたいものがあり、

この充足感を皆さんにも感じてもらえたらと思っています。

また、音楽は人間の成長とともにあり、

その年齢だからこそわかることがあるのです。若い時だけ弾いていて、
その後は弾かなくなってしまうというのは、あまりに残念でもったいない

と思います。今だからこそ出来る演奏があるはずです。(大島優子) 



                                      
 



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